文部科学省科学研究費助成事業「新学術領域研究(研究領域提案型)」平成29~33年度ハイブリッド触媒

三浦 智也 » English

所属 京都大学大学院工学研究科
役職 准教授
HP http://www.sbchem.kyoto-u.ac.jp/murakami-lab/
専門分野 有機合成化学・有機金属化学
所属学会・研究会 日本化学会・有機合成化学協会・近畿化学協会

概要

生体内のような複数の酵素が関与する多触媒反応では、可逆反応と不可逆反応が組み合わさり、一つの反応経路が構築されています。本研究では、生体内システムの利点を有機合成に取り入れて、可逆反応と不可逆反応を組み合わせたドミノ触媒反応の創出と応用展開を目指します。すなわち、入手容易な末端アルキンなどから簡便に調製される不飽和有機ホウ素化合物を用いて、遷移金属触媒による可逆反応(異性化反応)と有機触媒による不可逆反応(不斉アリルホウ素化反応)を重奏的に活用したドミノ触媒反応により、ホモアリルアルコールの立体選択的合成を行います。ホモアリルアルコールの立体選択的な合成を可能にする不斉アリルホウ素化反応は、ポリケチド天然物の合成にEvansアルドール反応と並んで、第一選択肢として用いられています。しかし、アリルやクロチルホウ素化試薬など原料合成法が確立されているものを除き、α位やγ位に置換基を持ち構造的に複雑化したアリルホウ素化試薬を立体選択的に調製することは必ずしも容易ではなく、簡便な合成手法の開発が望まれています。本研究が実現すれば、ポリケチド合成に有用な新しいキラルビルディングブロックを創薬分野に提供できるだけではなく、汎用性の高い方法論を有機合成化学分野に提示することになると考えています。

研究業績

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原著論文

  • "A One-Pot Reaction of α‑Imino Rhodium Carbenoids and Halohydrins: Access to 2,6-Substituted Dihydro‑2H‑1,4-oxazines"
    Jones, K. D.; Nutt, M. J.; Comninos, E.; Sobolev, A. N.; Moggach, S. A.; Miura, T.; Murakami, M.; *Stewart S. G.
    Organic Letters, 2020年4月13日, 22(9), 3490-3494